あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】
◇ありえない。ありえない。ありえない!
「えっ!?何々?」
しまった。ぼーっとしてた
「だから、黒川と体育委員できるからって調子のんなよっつってんの」
「ああ、そんなの逆に嫌だし代わったろっか?」
「えっ!?いいの?」
千香の顔が輝く。 あれのどこがいいのだろーか?
「千香ずるい!」
「あたしも!!」
「あんた彼氏いんでしょ!」 「体育委員に彼氏は関係ないじゃん」
途端に私の席の周りで十数人の女子の言い合いが始まった
ほんと、分かんないなー
黒川なんてちょっとイケメンで、ちょっと勉強出来て、ちょっと運動神経いいだけじゃん?
その時!
「ん?俺の話?百合ちゃん」
は?つーか今私声出てた!?
カッコ悪っ!!
と思ったら、それは隣のクラスの雪仲だった
「何々?そんなに見つめる程俺のこと好きなの!?俺めっちゃ嬉しー」
見つめてないし。こいつ
ほんとウザい・・
しかも、みんなが私の方に注目してる。めんどくさいな…
「邪魔だし帰って!チャイム鳴るし・・・」
「俺、百合ちゃん好きだよ。めちゃ可愛いし、癒やしてくれそー」
人の話聞けっての。
しかも、思いっきり外見判断
「付き合ってよー。ねー」
雪仲は甘い声を出す。
「私はお前が嫌い!それ以外に何か理由ある?」
キッパリと言ってやった。