春よ、来い
儀式
僕は大学がヒマなのをいいことに、1月から宅配便の仕分けの夜間勤務をはじめた。


夜勤の仕事自体は体力的にキツいとはいえ慣れてしまえば大したことはなかったが、朝がとにかくつらかった。

いくらもう3月とはいえ、まだ朝の空気は刺すように冷たかった。

まずこの寒さがこたえるし、仕事し終えて眠い眼に冬の朝の陽射しは拷問に近い。
< 1 / 20 >

この作品をシェア

pagetop