春よ、来い
 僕は改めて改札を通り、上りホームの階段を駆け上がった。

そこにはいつものように通勤通学の人たちでごった返している。

その中でカバンを抱えてベンチに座っている彼女は、やはりいつもの彼女ではないように思えた。

僕は彼女に近づいた。

まだ彼女は僕に気づいていなかった。


意を決して僕は、彼女に話しかけた。

「あのう…。」
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