春よ、来い
ただそれが的外れな質問をしてあきれたせいか、

それとも聞いてはいけない質問が僕から発せられたからかは、すぐにはわからなかった。

彼女は少しため息をついて、それからゆっくりと答えた。

「いいえ、会社は今日もあるはずです。」

こう彼女は答えて、それからまた一つ小さなため息をついた。

そして再び答えはじめた。

「でも私、今日は行きません。明日も行きません…。」
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