春よ、来い
彼女と会えることだ。といってもいわゆる彼女ではない。
知り合いというのもおこがましいかもしれない。何しろ僕は彼女の名前すら知らない。
だけど僕と彼女には、2人だけの朝の儀式がある。
夜勤から帰宅する頃は、これから出勤しようとする人たちが、街に、そして駅にあふれている。
僕がいつも乗っている下り電車は、駅に7時50分に到着する。
そして電車を降りてホームを歩いていると、いつも彼女はちょっと早足で、下りホームの階段を駆け上がってくる。
そしてすれ違いざまに、ほんの少しだけ彼女は僕に視線を投げて、微笑みながら軽く会釈してくれる。僕もそれに応えて少しだけ会釈する。
そんなことがもう1ヶ月近く続いている。
彼女に最初に気づいたのはバイトを始めて1週間ほどたった1月もなかばの寒い日だった。
知り合いというのもおこがましいかもしれない。何しろ僕は彼女の名前すら知らない。
だけど僕と彼女には、2人だけの朝の儀式がある。
夜勤から帰宅する頃は、これから出勤しようとする人たちが、街に、そして駅にあふれている。
僕がいつも乗っている下り電車は、駅に7時50分に到着する。
そして電車を降りてホームを歩いていると、いつも彼女はちょっと早足で、下りホームの階段を駆け上がってくる。
そしてすれ違いざまに、ほんの少しだけ彼女は僕に視線を投げて、微笑みながら軽く会釈してくれる。僕もそれに応えて少しだけ会釈する。
そんなことがもう1ヶ月近く続いている。
彼女に最初に気づいたのはバイトを始めて1週間ほどたった1月もなかばの寒い日だった。