太陽には届かない
飲み会は最悪だった。


酒に強い吉田は、いつも以上に饒舌になり、良平の彼女について延々と話した挙句、今度は陽菜の彼氏についても語りだした。


『陽菜の彼氏はさぁ、出来すぎクンでさぁ~』


『吉田!アンタしゃべりすぎ!』


『いいじゃん、俺、アイツ好きだもん。』

吉田は唇を尖らせて陽菜に抗議する。


『そういう問題じゃなくて…』


陽菜は苦笑しながらカウンター席の隣に座る、良平の顔を見る。


『彼氏、いい人なんすね。』


良平は、陽菜に耳打ちする。

陽菜の心臓が跳ね上がる。


『あっ、あ…有田くんの彼女こそ、いい女なんでしょ!?』


動揺する陽菜の言葉に、良平は何も言わず微笑んだ。

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