太陽には届かない
愛されてるんだなぁ…。

当たり前の事を、嫌でも思い知ってしまう。


(一目惚れなんて都合よすぎ…。私には泰之がいるんだし、そんなの気のせい…。)


陽菜はもう1杯、カシスオレンジをオーダーすると、吉田のビールグラスに乾杯した。


『おおっ?!お前、今日は飲むじゃんよ!』


吉田は嬉しそうに笑うと、手にしたビールを一気に飲み干し、おかわりを頼んだ。

そしてそれを見届けた陽菜は、良平のグラスにも乾杯すると


『明日から、よろしくね』


そう添えて、一気に飲み干した。


(大丈夫、明日からは仕事仲間として、ちゃんとやっていける)


陽菜は空になったグラスをマスターに差し出すと、また、吉田のくだらない話に耳を傾けて笑った。
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