太陽には届かない
遠距離彼氏
冷たいシャワーが、酒で火照った体に気持ちいい。
一日をこんなに長く感じたのは久しぶりだった。
バスルームから出ると、冷蔵庫からスポーツドリンクを出し、携帯電話を手にする。
時計を見ると、11時。
泰之も、こうして風呂に入り、寝る支度をしている頃だろう。
こうして会社から離れ、いつもと変わらぬライフスタイルになると、途端に泰之が身近に感じられる。
タオルを片手に、電話をかける。
30秒ほどの呼び出しで、メロディが止む。
『もしもし?』
昨日の夜電話したばかりなのに、泰之の声を懐かしく感じていた。
少し高い、甘えたような声。
『泰之…?』
いつもなら、自然にもっと明るい声が出たはず。
陽菜は何かを躊躇するかのような声を出していた。
『陽菜…?どした?』
お互い電話は週に2回位のペースだったから、泰之は陽菜に何かあったのかといぶかしがっていたようだった。
『何でもない…ただ…声が聞きたかっただけ。』
『そか…。』
しばらくの沈黙の後、泰之が切り出す。
『俺、来月そっちに出張に行くんだ。』
『本当に?!』
陽菜の声が、途端に上ずる。
一日をこんなに長く感じたのは久しぶりだった。
バスルームから出ると、冷蔵庫からスポーツドリンクを出し、携帯電話を手にする。
時計を見ると、11時。
泰之も、こうして風呂に入り、寝る支度をしている頃だろう。
こうして会社から離れ、いつもと変わらぬライフスタイルになると、途端に泰之が身近に感じられる。
タオルを片手に、電話をかける。
30秒ほどの呼び出しで、メロディが止む。
『もしもし?』
昨日の夜電話したばかりなのに、泰之の声を懐かしく感じていた。
少し高い、甘えたような声。
『泰之…?』
いつもなら、自然にもっと明るい声が出たはず。
陽菜は何かを躊躇するかのような声を出していた。
『陽菜…?どした?』
お互い電話は週に2回位のペースだったから、泰之は陽菜に何かあったのかといぶかしがっていたようだった。
『何でもない…ただ…声が聞きたかっただけ。』
『そか…。』
しばらくの沈黙の後、泰之が切り出す。
『俺、来月そっちに出張に行くんだ。』
『本当に?!』
陽菜の声が、途端に上ずる。