太陽には届かない
陽菜は複雑な気分で電話を切る。

それでも、泰之との電話は嬉しかったし、久しぶりに会える事も嬉しいと思えた。

付き合い始めて3年。

遠距離になって1年。

長い付き合いになればなるほど、泰之を必要だと思うようになってきていた。

何かあっても、泰之は側にいてくれる…。

そんな安堵感を持たせてくれる存在だった。

言うなれば、家族のような。

陽菜は、何となく幸せな気分で床についた。

眠りに落ちる寸前、再び良平の顔が脳裏をよぎったが、それも束の間、すぐに深い眠りに落ちた。
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