太陽には届かない
『おはようございます』
『あ、おはようございまーす!』
あいさつをしながら、後輩の笠井由梨が近づいてきた。
『陽菜さん、昨日飲みに行ったでしょ?』
ニヤニヤと意味ありげな顔をしている。
『えっ?』
陽菜は反射的に聞き返す。
由梨は年が近いせいもあり、“先輩と後輩”と言うよりは、友達同士のような関係だった。
『今日、化粧ノリが悪いから』
由梨は、一瞬ポカンとした陽菜に向かって、いたずらっぽく笑うと、
『ウソ。昨日吉田さん達と飲みに行ったでしょ?偶然見ちゃった。』
ああ…そう言うことか。
陽菜はどうでもいいじゃない、と思いながらも、お愛想で返す。
『吉田に誘われたの。アイツ、人の話も聞かないで強引だからさ。』
言いながらデスクに腰掛ける。
『吉田さんともう一人、イケメンいたじゃない?あの人は?』
ああ…そっちか。
『有田くん?吉田の後輩で、今回の会計ソフト作成プロジェクトの見習いらしいよ。』
由梨はがっかりしたような顔をする。
『何だー、私、てっきり陽菜さんの彼氏が上京してきたのかと思ったー。』
ちぇっ…と舌打ちをすると、自分の席に戻る。
由梨は可愛いが、噂好きなのがたまにキズだ。
人の彼氏に、異常に興味を示す。
会ってみたいと言われれば言われる程、会わせる気が失せてしまう。
今日は月末だから、きっと忙しいだろう。
由梨の噂話につき合っている暇はない。
それにしても…
金曜日、泰之との食事を家にしてよかった…
そう思いながら、陽菜は伝票の整理に取りかかった。
『あ、おはようございまーす!』
あいさつをしながら、後輩の笠井由梨が近づいてきた。
『陽菜さん、昨日飲みに行ったでしょ?』
ニヤニヤと意味ありげな顔をしている。
『えっ?』
陽菜は反射的に聞き返す。
由梨は年が近いせいもあり、“先輩と後輩”と言うよりは、友達同士のような関係だった。
『今日、化粧ノリが悪いから』
由梨は、一瞬ポカンとした陽菜に向かって、いたずらっぽく笑うと、
『ウソ。昨日吉田さん達と飲みに行ったでしょ?偶然見ちゃった。』
ああ…そう言うことか。
陽菜はどうでもいいじゃない、と思いながらも、お愛想で返す。
『吉田に誘われたの。アイツ、人の話も聞かないで強引だからさ。』
言いながらデスクに腰掛ける。
『吉田さんともう一人、イケメンいたじゃない?あの人は?』
ああ…そっちか。
『有田くん?吉田の後輩で、今回の会計ソフト作成プロジェクトの見習いらしいよ。』
由梨はがっかりしたような顔をする。
『何だー、私、てっきり陽菜さんの彼氏が上京してきたのかと思ったー。』
ちぇっ…と舌打ちをすると、自分の席に戻る。
由梨は可愛いが、噂好きなのがたまにキズだ。
人の彼氏に、異常に興味を示す。
会ってみたいと言われれば言われる程、会わせる気が失せてしまう。
今日は月末だから、きっと忙しいだろう。
由梨の噂話につき合っている暇はない。
それにしても…
金曜日、泰之との食事を家にしてよかった…
そう思いながら、陽菜は伝票の整理に取りかかった。