太陽には届かない
気が付くと、すっかり日は昇り、近くの私立高に通う生徒達の声が聞こえていた。
陽菜はタオルケットを体に巻き付けたまま、風呂場に向かう。
泰之は、ベランダでタバコを吸っていた。
二人の休日は、いつもこうして終わってしまう。
ここ1年、まともに出かけた記憶がない。
これから寝て、起きればもう、泰之を送り出す時間だ。
シャワーを浴び終わり、ベッドに戻ると、泰之は再び陽菜を抱きしめる。
『陽菜、いい匂いするなぁ。』
陽菜は睡魔に襲われながらも、その誘惑に勝てず、泰之を再び受け入れる。
そして二人は疲れ果て、泥の様に眠り続けた。
------------
陽菜は夢を見ていた。
泰之が傍にいる。
陽の当たる庭にある桜の木。
木陰では犬と子供が戯れている。
泰之は子供の傍に寄り、肩車をする。
陽菜はそれを、じっと見ている。
泰之となら、こんな将来を容易く
夢見ていられるのに…
------------
陽菜はタオルケットを体に巻き付けたまま、風呂場に向かう。
泰之は、ベランダでタバコを吸っていた。
二人の休日は、いつもこうして終わってしまう。
ここ1年、まともに出かけた記憶がない。
これから寝て、起きればもう、泰之を送り出す時間だ。
シャワーを浴び終わり、ベッドに戻ると、泰之は再び陽菜を抱きしめる。
『陽菜、いい匂いするなぁ。』
陽菜は睡魔に襲われながらも、その誘惑に勝てず、泰之を再び受け入れる。
そして二人は疲れ果て、泥の様に眠り続けた。
------------
陽菜は夢を見ていた。
泰之が傍にいる。
陽の当たる庭にある桜の木。
木陰では犬と子供が戯れている。
泰之は子供の傍に寄り、肩車をする。
陽菜はそれを、じっと見ている。
泰之となら、こんな将来を容易く
夢見ていられるのに…
------------