太陽には届かない
日付が変わろうとしている。
急な訪問で、ビジネスホテルはもう、受け付けてくれない。
陽菜と泰之は仕方なく、近くのラブホテルに入る。
ラブホテルとは言っても、ビジネスホテルと何ら変わりがないように思えた。
陽菜と泰之は、それぞれシャワーを浴びると、ベッドに潜り込む。
『今日は寝よっか。』
陽菜がそう言うと、泰之も笑って頷く。
『疲れたね。』
『うん、疲れたなぁ。』
二人で自然に手をつなぐと、目を閉じた。
何もしなくても、傍にいるだけで、幸せな気持ちになってくる。
陽菜は、もう片方の手を、泰之の胸に乗せると、甘えるように近づく。
『泰之…今日はアリガトね。』
陽菜はそうつぶやくと同時に、深い眠りに落ちていった。