太陽には届かない
『だってオマエ、こんな格好じゃ帰れねぇだろ。風邪引いてもバカバカしいし。ビジネスホテルあたりだったら、コインランドリーもあるだろうしさ。風呂入って髪の毛乾かして、どうせだったら明日も遊んで帰ろうぜ。』


吉田のあっけらかんとした言葉に、陽菜はもう笑うしかなかった。

女として見てもらえないことを、こんなに心地よいと思った事はかつてなかった。


『性別を超えた友情って、本当にあるんだねぇ…』


しみじみと呟く。


『俺の場合、オマエに限るけどな。他はちゃんと女に見える!』


威張るようにキッパリと言い放った吉田が滑稽で、陽菜はまた大笑いした。

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