太陽には届かない

互いの恋人

会議が終わると、吉田が良平を連れて、陽菜の所まで挨拶に来た。


『コイツ、相沢陽菜ね。俺とオナ高で、今回のプロジェクトでは現場のご意見番。今回、この出向先の中では、お前との接点が一番多いはずだから、何か要望があったらコイツに言えばいい。』


吉田はその後、小声で


『融通きくから楽だぜ。』


と付け足した。


良平は新入社員らしく、その説明にいちいち頷いている。

陽菜はその、整った顔立ちに思わず魅入っていた。



『よろしくお願いします』



良平のあいさつに、我に返る。


『あ…相沢です。頑張って…』


笑顔がひきつる。


『陽菜〜、お前なんだよ、それ』

すかさず、吉田が突っ込む。


『うるさいなぁ〜』

吉田との付き合いは10年近くだから、会話も気楽で自然体になれる。


知ってか知らずか、陽菜の前での吉田も、いつも以上に豪快に笑う。
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