太陽には届かない
『一応、雛形っていうか…大体の形が出来てきたから、それを見て欲しいんだと思う
。』


『そっか。じゃあちょっと見せてもらうこと出来る？』


陽菜は良平の横にちょこんと座る。良平はキーボードを叩くと、陽菜達の使うシステムを起動させ、説明を始める。

陽菜は良平に習いながら、1つ1つチェックをしていく。

ふと、良平の手が陽菜の手に重なる。

陽菜は一瞬ビクっと反応したが、良平が何事もなかったかのように冷静な顔をしてたので、黙って手を重ねあわせていた。


『陽菜！』


吉田の声がすると同時に、良平の手が離れる。


『吉田…お昼終わったの？』


『ん？…ああ。オマエ顔赤いな。』


天然なのか、カマをかけているのか、吉田の考えている事は分からない。陽菜はあわてて否定する。


『そっ、そんなことない！』


『そうか？それよりコレ、出来はどうよ？一応オマエの上司に報告したんだけどよ、陽菜に見てもらえっていうから。』


吉田はこともなげに言うと、良平の奥の席に座った。


『うん…まだちょっとしか見てないけど…伝票番号がね…』


吉田と良平、陽菜の3人は、ほぼ完成したシステムの補完に向けて打ち合わせを進める。
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