東京+ラブクラフト










「  おねえさん  」





背後から声





「 ――… ルウちゃん!!

どこ行ってたの?!ケガしてない?! 」





怯えた様に、声もなく散って行くやじ馬
その波の中に立つルウちゃんを
思いきり引きずり出し、抱きしめた





「 ごめんなさい


あのね あの中から

――― ケイトの声が、きこえたの 」





「 …… ケイト…って? 」







ルウちゃんの碧の視線は
私を越えた、その後ろ



それを追うと
涙を流し、ガク然とした表情のミコさんと
それを支える、ユタカさんの姿があった








< 164 / 369 >

この作品をシェア

pagetop