東京+ラブクラフト
少し、間があって
ユタカさんはヒザの上で指を組み
ゆっくりと口を開いた
「 …… 何となく気がついたとは思うけど
ケイトは、ミコのカレシだったんだよ 」
「 ――… 別れちゃったんですか 」
「 サイアクな形でな 」
「 ……― 」
「 … たった、一年位前の話
ケイトには夢があって
ミコも高校中退して、一緒に上京して来た
俺が今の仕事ついたすぐ後に
ケイトが入って来て
オラオラなんだけど、基本いいヤツで
あっという間にナンバーついて…
だけど、ある日突然、客の一人と飛んで…
後に残ったのは、未収と ミコ ―――
それでミコは、ヤツの尻拭いのために
…… 今の仕事についた 」
「 …なのに
戻って来た ってコトですか? 」
「 ―― だいぶ前から
名前は違うけど、
ブクロで姿見たって、ウワサはあって
でもなんか、前とキャラ違うから
人違いだろうって聞いてたんだけど
―――… なんで今更…
戻って、来たんだ…? 」
ユタカさんは、コブシを握る ――
「 …… ユタカさん 」
「 ん…? 」
「 ―――… ハルトさんは
どんなヒト なんですか… 」