東京+ラブクラフト
そして私はあまりに寒くて
すぐにレジ横の棚から、紅茶を取った
"こんな日にバイトしてる自分て何なの"
そんな感じにブスッとした顔の店員から
袋とお釣りをもらって外に出る
「 …あっつ… 」
そして"現在"
大人になった私は―――
あの時とは違う、夏の蒸し暑い夜の道
制服を脱いだ 仕事帰りに
同じメーカーの、冷えた紅茶を買う
そして同じ場所のコンビニ
チャイム音を聞きながら
流れて来る、額の汗を拭うのだ
ここは、『彼ら』に初めて会った
ゲーセン近くの道
「 …この路地裏だ 」