東京+ラブクラフト
ハルトさんは、一つ息を吐いて
ケーキ屋さんに カップを返した
「 …… 一応、聞いてみます 」
「 うん 悪いね 」
立ち上がったハルトさんは
コンコン、とドアを軽くノック
中からルウちゃんの顔が覗いて
しばらくしてから 一緒に入った
「 ごめんね お茶切らして 」
「 ――― えっ…!! あ、いえ!!
あ、あのっ 半パンて何ですか?! 」
ケーキ屋さんが 吹き出した
「 … こ、この場合、この場面で
一番どうでもいい質問だよね〜 」
「 すっ… すみません
じ、自分でも何で聞いたか…
――― ただ、なんか気になって… 」
ムズカシイ顔してたユタカさんまで
ククケって笑い出してる
ケーキ屋さんは、奥からポットと
自分用マグカップらしき奴を持って
私たちのそばに、椅子を引いた
「 …え〜っとねえ
―― 何年か前に
あるファッション、流行ったでしょ? 」