東京+ラブクラフト









ハルトさんは、一つ息を吐いて
ケーキ屋さんに カップを返した




「 …… 一応、聞いてみます 」



「  うん 悪いね  」





立ち上がったハルトさんは
コンコン、とドアを軽くノック

中からルウちゃんの顔が覗いて
しばらくしてから 一緒に入った






「 ごめんね お茶切らして 」





「 ――― えっ…!! あ、いえ!!

あ、あのっ 半パンて何ですか?! 」





ケーキ屋さんが 吹き出した



「 … こ、この場合、この場面で
一番どうでもいい質問だよね〜 」




「 すっ… すみません



じ、自分でも何で聞いたか…

――― ただ、なんか気になって… 」





ムズカシイ顔してたユタカさんまで
ククケって笑い出してる





ケーキ屋さんは、奥からポットと
自分用マグカップらしき奴を持って
私たちのそばに、椅子を引いた





「 …え〜っとねえ

―― 何年か前に
あるファッション、流行ったでしょ? 」







< 180 / 369 >

この作品をシェア

pagetop