東京+ラブクラフト






「 だっ… ダメだよ!!!

サンタさんからのプレゼントって
ケーキ屋さんも言ってたでしょ?! 」





「 サンタさんなんて いないよ ――― 」






明け方とは言っても
まだまだ暗い、冬の空



乾いた場所を探してでも座り込む
それでも数は減らない、コドモ達の姿



空との明暗

対比が激しい、そのビルの谷間で
一番小さな金色の影が クスクスと笑う






" ―――… ねぇ どこにいるの? "







そんな街を背景にして

彼女がホントに、その言葉を口にしたのか
私が勝手に想像したのか ―――――












… 確かに お伽話だよ

私だって小学生の時に
お父さんがサンタなんだって
ちゃんと気がついてた



お母さんが
"お帰りなさいアナタ"って言って
キスだってしてたし
枕元に来た時、同じタバコのニオイで


翌朝、お母さんに聞いたら
"今はまだ、気がついてないフリ
してあげなさい"って言われて
二人で笑って、ケーキ食べた






だから、いないかもしれないけど



―――… コドモに
プレゼントくれるサンタは
ちゃんと、いるんだよ ――――












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