東京+ラブクラフト
そして行きとは
打って変わった静寂が包んだ
廃墟近くにたどり着く
入口辺りにあった賑わいが
まるでウソみたいに、なにもない
壊れた看板
狭く、水溜まりの出来た道
そこからまた、違う通を通ったりして
突然抜けた明かりの下
ハルトさんトコのドアから
建物の中へ入った
「 ケーキ、冷蔵庫に入れて来る 」
「 あっ 手伝いまっす! 」
―――… やっとしゃべれた
帰り道
なんてコトバかけていいかわかんなくて
ハルトさんも話し掛けて来なかったから
ずっと なんか 黙ってたんだ
「 そこに、セロテープない? 」