東京+ラブクラフト
次にはタトタトと
食堂の方へと向かう足音
何も言わずに ドアを閉めた
「 ――… ユタカさん? 」
「 …な〜によ
タダイマ位言えばいいのにね〜 」
「 へっ… 平気だったんですか? 」
「 うん〜
あのさぁ… 急な話で驚くカモだけどぉ…
アタシ、ここ出て行くわ〜 」
「 …ぇえっ?! 」
「 声おっきい…
って 寒〜〜っ
ちょっと一緒に おフトン入れて〜
後、ケータイ貸してくれる? 」
「 は、はい! どぞ! 」
突然の宣言
私は枕の下からケータイを出して
まだモゾモゾ、フトンを慣らしているミコさんに
ケータイを向ける
「 これアタシのコード
困ったコトあったらさぁ
いつでも連絡してよ〜
絶対、駆け付けるから… 」
「 ミコさん… どして…? 」
「 んなっ!泣くなよぉ〜…
… ケイトのコトは…もう昔のハナシだしさ
何しろ"生きてた!"って…
安心して大泣きしちゃったけど
…『アタシは別!』とかは思わないし
夜のオシゴトしたコトは事実で
セケンの人達から見たら同じなんだってコト
アタシもさ、わかってるケド…
――… ホントだったらもっと
深いトコまで堕ちてたんだし…
薄紙一枚の差なんだよ あゆトコって
ゴムより薄いんだから〜 」
「 ……… 」
「 でもさぁ… 」
「 … うん 」
「 ルウに…
ずっと キス したかったからさ… 」