東京+ラブクラフト
建物の窓
格子の向こうから
心配そうにこっちを見ている皆と
そこからヒョロヒョロやって来る
痩せた体と、スソが薄くなってるコート姿
「 まだ
そないに遠くへは行ってへんやろ 」
「 …教授 」
ハルトさんは一度、教授のコトを見てから
地面につっぷして泣いてるルウちゃんを
静かな瞳で ジッと見てた
… 最初は
"なぜ泣くのかわからない"
そんな表情をして
まるでそのキモチを
深く、知ろうとするみたいに ――――
「 …― ルウ 立てよ 」