東京+ラブクラフト
――― え と 思った
だって、そのハルトさんの言葉は
"中に入るよ"とか
"じゃあ追いかけよう"とか
そんなセリフに繋がる響きではなくて
ただ 驚いてる
見れば ――――
うつぶせてるルウちゃんの体の上には
ちょっと崩れた 盛り髪が拡がってて
その後ろには
なんか乱闘した後みたいに
服と呼吸の乱れた姿が
リュックを持って 突っ立っていた
「 …ユタカさん 」
「 ミコ…
ル…や… 約束やぶ、るのイヤだ って…
コイツ、道 で、暴れて… 」
「 ――― 驚かせてゴメンネ?!ルウ!!
ゲッツマン、一緒にみよ!! 」
ルウちゃんは グシャグシャの顔で
やっぱりグシャグシャになった
ミコさんの顔を見あげる
「 ――…ルウね 」
「 ん…? 」
「 ゲッツマン…
ほんとうは、どうでもいいの…
ミコちゃんと一緒にみるのが
楽しかったんだよ… 」