東京+ラブクラフト
笑ってる
白く浮き立つ 口元の歯
ゆらりと差し出された 大きな手
足が、ガタガタと震える
「 なに… してる…ンですか… 」
「 …万が一 落とした時の為に
GPS登録しておいたんだ
こんな場所に反応があって
あの最低な餓鬼どもが持って行ったのかと
キモを冷やしたが
しかも誰か来て隠れていたら
鍵をかけられてしまうし…
助太刀に来た君が拾ってくれていたとは
本当に、助かった!感謝するよ ―― 」
「 … 違う 」
私はぶんぶんと、首を振る
「 ん? 何が違うんだい?
君が入って来た時
もしかしたらと思って電話してみたら
私の携帯の着メロが鳴った
――― なんだい?
バレて困るのは、君も同じだろ?
あんな時間に、あんな所で…
ああ…!!
あの子
友達が後から来るって言ってたけど
もしかしたら、それが君なのか? 」
「 …っ ―――― !!! 」
―――… 違うと言いかけて やめた