東京+ラブクラフト
「 ―… リカさん 行こう…
そろそろ、ルウちゃんの歌が終わる… 」
後ろから気遣うネイルの指が
肩へソロリと伸びて来て
私は、後ろを振り返った
床にヘタリ込んでる、包帯の女の子は
また別の制服姿のヒト達が
両肩を支え、部屋から出て行く
「 ―――… あなたたちは
誰 ですか…? 」
「 心配しないで
アタシたちは、ミコの…同僚?
二人を逃がすんでさ
ちょっと集まってたんだけど
無線傍受してたら
とんでもない話が聞こえてきちゃって…
―――― とにかく出よ!
"逃ゲロ"の合図
ルウちゃんの歌が終わったら
ここは、空っぽの箱になる 」
―――――… 空っぽ
「 …私の せいだ… 」