東京+ラブクラフト
元々ここは
湿地帯を埋めた土地
その上に建てられた
幾つも立ち並ぶ、石造りの高い塔
その下を走る街道と
交差している白い橋
信号が変わって
走るクルマのテイルランプも
矢継ぎ早に歩く人の動きも
すべてスローモーションに変えて
振り返った私の頬にささる
銀のリングをたくさんつけた
キレイで 長い指
前をはだけた白いシャツ
かなり褪せた、黒のジーンズ
サラサラとした銀の影が
私の後ろに立ってる
「 ――――… ハルト …さん 」
「 お久しぶりです 」
雪の様な 微笑 ―――――