東京+ラブクラフト
にこやかに笑うハルトさんは
はしゃぐ私に勿体付けるみたいにして
腰から出した、手元のケータイを開く
シルバーメタリックカラーのそれは
またもや最新型のヤツで
ハルトさんてこういうの
結構こだわるヒトなのかなあと思った
少しいじって、その画面を開き
私にそのまま渡してくれる
そして ――――
私はまたボロボロと
みっともなく泣いてしまった
だけど、今度は笑いながらだ…
外国のビールのロゴが入った
鮮やかな看板が、壁にあって
小さなキッチンの向こうには
明るい笑顔を向けた
たくさんのお客さんが座ってる
真ん中に
頭にタオルを巻き、ヒゲ面
日焼けして、見違えるほどに
たくましくなったユタカさんと…
両腕の脇には
やっぱり日焼けした二人の子供たち
―――… それから
その横に
相変わらずの、盛り&巻きの髪型で
エプロンをかけたミコさんと
満面の笑みのルウちゃんが
腕を組んで、ポーズとってる
広い窓の外には
真っ青な空に 白い入道雲 ――――
「 みんな… 皆、元気だ… 」
「 また子供出来たって
この前も連絡あったけど
ルウに名前つけさせるっていうんで
はしゃいで熱出して大変だった 」
――――… ルウちゃん!
「 ハルトさんっ!!
… ルウちゃんはもう平気なんですか?!
かなりの大ケガし…!! 」