東京+ラブクラフト
ゴトリと
置かれたモノを 見た瞬間
頭の中に"あの時の場面"が
ギュルギュル 音をたてながら
フラッシュバックして消えた ―――
「 ―――… こ、これって…!! 」
ヤツが必死に、探してたモノ
… だけど、これを潰した所で
あまり意味がなかったんだ
オジサンだったから
その辺、疎かったんだろうけど…
――――… そう
アイツは同じケータイを、二台持ってた
一個は、完全な仕事用
そしてもうひとつの方も
通話履歴、アクセスした場所
それをずっと、調べてられて行って
女の子たちは事情聴取を受け
ヤツが絡んでたトコ全てが
一斉に捜査、逮捕されたりしたんだ…
現場に残されてたのは
どっちなんだろうと思ってたけど
「 …ハルトさん
これに、もう意味は…
… それに
女の子との画像とか残ってるなら
もう…消してしまった方が
いいのかもしれない… 」
「 それは、あの時一緒に燃えたよ 」
「 え?! 」
「 こっちは、仕事用
――… 問題は
鍵の付いた、画像フォルダ 」