東京+ラブクラフト
この声 って、さっきの…
「 ――― え… あ… えっと、
林さん… だよね
どうしたの? 何かあった? 」
ケータイの向こうから、テレビの音
『 あ〜
駅前で箱森さんから質問されたコト〜
ちょっと知り合いにも〜
聞いてみたんですよ〜
そしたらぁ
"キャップ被ってて
よく顔はわかんなかったけど〜
声かけて去ったヤツはいた"って 』
「 え… 男の人?!女の人?! 」
―――― 立ち去った…?!
『 ちょっ… お姉ちゃん!!
チャンネル変えないでよ〜!!
これからアズとか出んだってばぁ〜!
…… スイマセン ウルサくて… 』
「 ううん!!わざわざ…
ホントに、ホントにありがとうね! 」
『 いえいえ〜 んで〜
なんかやっぱり、あの女の人
あんまり上手く動けてなくて〜
そのキャップの人が〜
"もう暗いし、明るいトコ行ったら?"って
親切に〜
声かけてあげたみたいなんですよ〜 』