東京+ラブクラフト
一生懸命に、何か話してくれてる
でも私は、かなり意識の遠くで
それをボー然と聞いてた
だからだと思う
突然その顔が、フッと曇って
私から目を逸らして 立ち上がった
「 … えと
今、ハルトが 来るから… 」
そう言うと、くるりと向こうにむいて
その場から 走って行きそうになって ―――
「 ま… 待って!!! 」
思わず腕をつかむ
「 ごっ ごめん!!!
―――… あんまりカワイイから
マジでびっくりしたの!!
助けてくれてありがとう!!
てか、ホンモノ?!
動いてるの
かなり信じられないんだけど!! 」
とりあえず取り押さえて
もう思い切り抱きしめた
それから、色々な場所を触ってみる
「 おっ… おねーさん!
ほっぺたの皮がのびるーー! 」
夢中になっていたら
背後から クスクス笑い
「 ハルト! 」
「 その様子だと、平気そうだね 」
――― 涼しい声の主だ