東京+ラブクラフト
大部屋の隣には、部屋が続いていた
白っぽい光が入って来て
向こうよりも、全然明るい
洗面所と、鏡
タテに長いロッカーが
いくつもあって
残っている名札を見て
何か会社の、更衣室だったのかなと思う
そっか、だとしたらあっちって
仮眠室とか、休憩室だったのかも
「 あ ちょっと冷蔵庫から〜
ミネ取ってもらえる〜? 」
"ミコさん専用、即席鏡台"みたいのが
明るい窓の横に作られていて
パイプ椅子を引いて来て、彼女は座った
背中はこっち
鏡からの視線で、可愛く笑いながら
そんなお願いをされてしまう
「 え みね取るっ …て
剣道は私、あまりやったコトなくて 」
すると
ミコさんは大きな瞳を、もっと大きくして
ものすごい勢いで
バタバタ足を鳴らして笑い始めた
「 え …え?! 」
「 アハハハハ!
ぃ〜! アハハハハ!!
ご、ゴメン!! アタシが悪いね
ミネラルウォーターをね
取って欲しかったの
… そ〜だね〜 確かにわかんないわ
っていうか、アンタ
ケーサツのコか、なんか? 」
「 ――――… えっ?! 」