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作者がシリーズを通して「トリックスター」として描いてきたキャラクターの新たな一面が垣間見られる作品。過去の完結作品「教室バロック」と同じ年代ながら全く異質のジャンルで描くことによってどこか別の世界の話にも見え、過去と現在の混ざりあった混沌の中で一人の女性の愛情や憧れを軸に進められる物語は中々興味深い。悔まれるのはサスペンスならではの血生臭さと泥臭さ、狂気と人間性を全面に押し出してほしかったです。(これは全くの個人的好みなので気にせぬよう。