触れないキス
ふたりだけの秘密
「なんか瑛菜……最近雰囲気変わったよね?」
「えっ、そう?」
ある日のお昼休み、教室でメロンパンを頬張る凛に突然言われて。
私は大好きないちごミルクをストローで吸い上げながら、自分の髪を触った。
肩下5センチくらいの、ミルクティーブラウンのストレートの髪の毛。
最近美容院に行ったわけでもないし、特に何もしてないんだけどな……?
「うまく言えないんだけどさ~。明るくなったっていうか、可愛くなったっていうか……」
「そりゃーやっぱり原因はアレしかねぇだろ」
私達の会話に割り込んできたのは、おにぎりをくわえた桜太くん。
「なによ桜太、アレって」
凛はいつもの通り不機嫌そうな顔をして、隣の机に腰掛ける桜太くんを見上げる。
桜太くんは私を横目にニヤリと意味深な笑みを浮かべ、当然!というように言い放った。
「恋だよ、恋! 決まってんじゃん」
……へっ!?