触れないキス
「もー桜太くん、何言って──」
「マジっ!? ちょっと瑛菜! あたし何も聞いてないよ!?」
呑気にへらっと笑う私に、凛がメロンパン片手につかみ掛かる。
その勢いに驚いて、ギュッと握った紙パックからいちごミルクが飛び出そうになった。
そんな中、桜太くんだけが一人冷静にサンドイッチの包みを開けている。
そして、それを豪快に頬張りながら凛に向かって言う。
「女が変わる原因はだいたい恋愛だって昔から相場が決まってんだろが。そんなことにも気付かないなんて、やっぱお前バカ──」
「うっさい!! 説教オヤジは黙ってて!」
「は? 俺がオヤジに見えるなんて、目腐ってんじゃねーの?」
「両目2.0ありますー。残念でした!」
あーあ、また始まったよ……でも話が逸れたからいっか。
ギャーギャー言いながらサンドイッチを奪い合っている二人を横目に、私は食べ終わったお弁当を片付けながら静かにいちごミルクを飲む。
「ちょっと! 本当はどうなのよ、瑛菜」
あ。争いが終わったらしい凛にパックを奪い取られた。
「マジっ!? ちょっと瑛菜! あたし何も聞いてないよ!?」
呑気にへらっと笑う私に、凛がメロンパン片手につかみ掛かる。
その勢いに驚いて、ギュッと握った紙パックからいちごミルクが飛び出そうになった。
そんな中、桜太くんだけが一人冷静にサンドイッチの包みを開けている。
そして、それを豪快に頬張りながら凛に向かって言う。
「女が変わる原因はだいたい恋愛だって昔から相場が決まってんだろが。そんなことにも気付かないなんて、やっぱお前バカ──」
「うっさい!! 説教オヤジは黙ってて!」
「は? 俺がオヤジに見えるなんて、目腐ってんじゃねーの?」
「両目2.0ありますー。残念でした!」
あーあ、また始まったよ……でも話が逸れたからいっか。
ギャーギャー言いながらサンドイッチを奪い合っている二人を横目に、私は食べ終わったお弁当を片付けながら静かにいちごミルクを飲む。
「ちょっと! 本当はどうなのよ、瑛菜」
あ。争いが終わったらしい凛にパックを奪い取られた。