触れないキス
凛は明日の後夜祭で行われる弓道部のイベントに出ることになっている。
毎年恒例の、火がついた矢を放ってファイヤーストームに点火するという一大イベント。
去年は先輩がやるのを見ていたけれど、すごく格好良いし最高に盛り上がるんだ。
凛の他にもステージに立つ人は二人いるらしいけど、どちらも三年生。
その中に凛が抜擢されるなんて、本当にすごいと思う。
だから凛の勇姿は絶対見なきゃ!
窓から見える校庭に視線を移す。
仮設されたステージと、その直線上に作られるファイヤーストーム。
それ用に運ばれる大道具を見ながら、凛を待っていた──その時。
ドサッ!と、私の背中に重い何かがのしかかった。
「ひゃっ!?」
一瞬、何が起こったのかワケがわからなかったものの、圧迫された自分の身体を見やると。
私の身体に、う、腕が巻き付いている!?
誰かが後ろから抱きついてるんじゃない!!
「きゃぁぁ~っ!! 何!? 誰っ!?」
パニック状態の私は、身体を強張らせながらも必死に顔を向けてその人物を確認しようとした。
毎年恒例の、火がついた矢を放ってファイヤーストームに点火するという一大イベント。
去年は先輩がやるのを見ていたけれど、すごく格好良いし最高に盛り上がるんだ。
凛の他にもステージに立つ人は二人いるらしいけど、どちらも三年生。
その中に凛が抜擢されるなんて、本当にすごいと思う。
だから凛の勇姿は絶対見なきゃ!
窓から見える校庭に視線を移す。
仮設されたステージと、その直線上に作られるファイヤーストーム。
それ用に運ばれる大道具を見ながら、凛を待っていた──その時。
ドサッ!と、私の背中に重い何かがのしかかった。
「ひゃっ!?」
一瞬、何が起こったのかワケがわからなかったものの、圧迫された自分の身体を見やると。
私の身体に、う、腕が巻き付いている!?
誰かが後ろから抱きついてるんじゃない!!
「きゃぁぁ~っ!! 何!? 誰っ!?」
パニック状態の私は、身体を強張らせながらも必死に顔を向けてその人物を確認しようとした。