やっぱり、好きだ。
 
 「あー、もう!! なんで青山先生なんか好きになったんだろう!??」

  朝倉先生が地団駄を踏み出した。

 何この子。可愛い上に面白いのかよ。最強だな。

 「朝倉先生さぁ、そこらのアイドルなんかより全然可愛いし、言い寄ってくる男なんかいくらでもいるだろ。俺なんかじゃなくてもいいだろーよ」

 「自分が好きにならなきゃ意味ないじゃないですか」

 朝倉先生が今度は頭をグシャグシャに掻き始めた。

 サヤ子が前に、安田の事を『弟にしたい』って言ってた気持ちが分かる気がする。

 朝倉先生がもし俺の妹だったら、変な虫がつかない様に全力で守ってただろうなってくらいに可愛いわ。

 ・・・つーか、サヤ子にとって安田は、『弟にしたい男』が『彼氏にしたい男』に変わったりしたんだろうか。

  「・・・で、サヤ子と安・・「私、もう行きますね!!」

  朝倉先生には最早俺の声など聞こえない様だ。

  地団駄を踏み始めたあたりから自分の世界に入ってたもんな。

 『あー、もう。あー、もう』と言いながら朝倉先生は家庭科室を出て行った。
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