やっぱり、好きだ。
直接サヤ子に聞くか・・・。
どうしても気になって、取り敢えず保健室に向かう。
入る前から静かな保健室。扉を開けると、やはり誰もいなかった。
サヤ子、どこ行った??
・・・じゃあ安田に聞くか。
今度は軽音部の部室向かう。
大きい音が鳴る軽音部の部室は、校舎の離れにあり、家庭科室同様、全く所用がない為ほぼほぼ渡る事のなかった渡り廊下を歩く。
音漏れ激しい部室の前に着き、部室の窓から中の様子を見ると、何故かサヤ子がいた。
「イイ曲だねー。誰が作ったの?? 才能ありすぎるよ!!」
サヤ子、音に負けじと大声で大興奮。そんなサヤ子を見つめる安田の視線が優しこと。
やっぱ付き合ったのか??
「でも・・・この英詩の言い回し・・・ちょっとカタイかも」
出た!! 英語大好きサヤ子。サヤ子が譜面を見ながら、ボーカルらしき生徒に一丁前に指図をかました。
「高村先生って英語得意なんですか??」
サヤ子の指摘に『なになに』と興味深々にイケメンボーカルが喰いついた。
「全然。好きなだけ。喋れないもん」
『イヤイヤイヤ』と手のひらを平つかせながら否定するサヤ子。
サヤ子は謙遜するくせにしゃしゃり出るんだよなー。