やっぱり、好きだ。
説教部屋へようこそ
翌朝は自転車に跨り軽快に出勤。
昨日はスーツでヒールを履いていたからバスで出勤したけれど、アパートから学校までは自転車でも通える距離なのだ。
「あれ、サヤ子センセ今日は自転車なんだ??」
校門をくぐり抜け、自転車から降りると、後ろから声をかけられた。
振り向くと、今日も可愛い安田がいた。その隣には青山くんもいて。そっか、同じ町内に住んでいればバスも一緒になるもんね。
「おはよ。自転車の方がバス時間気にしなくていいからさ。おはようございます、青山先生」
安田に返事をして青山くんに挨拶をすると、青山くんが自転車をひいて歩く私を見て、
「おはよ。職員用はこっち」
と、私の代わりに自転車をひいてくれた。
「大丈夫です。自分で運びます」
が、自転車を転がせられないくらい非力ではないので、青山くんから自転車を取り戻そうとすると、
「大丈夫です。俺が運びます」
青山くんが私の真似をしながら断った。
青山くんは、多少チャラくてもこういうところがジェントルマンだからモテるんだろうなと、1人で納得していると、
「てゆーか、この大量のカップ麺は何なん??」
安田がポンポンと私の肩を叩き、『ひとり暮らしの男子大学生かよ』と、自転車のかごを指さしながら笑った。
「お昼ごはんです。私は保健室で食べられるから、他人の目とか気にしなくていいんだもん」
安田に遠回しに女子力のなさをバカにされようとも、自分の為に毎日お弁当作りなんか面倒くさいし、学食より安上がりだし、別に誰にどう思われてもいいもん。と開き直ると、
「ずるーい。俺も保健室で食う」
私に女子力など求めていないだろう安田が、今日も私の腕に絡みついた。