やっぱり、好きだ。
その日のお昼休み、保健室のテーブルでカップ麺を食べるべくお湯を注ぎ、時計を一点見つめしながら4分待っていると、『あと1分!!』という時に扉が開く音が聞こえた。
もー、タイミング悪いな。誰だよー。と、カップめんに気を取られつつ扉の方に目を向けると、
「ラーメン作ってるって事は、今ひとりなんだ??」
青山くんがベッドの方を見ながら室内に入って来た。
「体調、良くないんですか?? 今日は怪我人も病人もいないので、ベッド空いてますよ」
『どうぞどうぞ』とベッドとベッドを仕切っているカーテンを開け、青山くんをベッドで休む様に促すと、
「サヤ子、どっちか食って」
青山くんはベッドには行かず、『選んで』とばかりにお弁当を2個差し出した。
「なんで2個も持ってるんですか?? あ、今日は早弁する時間なかったとかですか??」
ふたを開けずとも手作りだと分かるそのお弁当。
桜井先生が早起きして作ったものならば、残したくない青山くんの気持ちは分からなくはないけれど、私が食べるのは違うと思う。