初恋は野球の王子様★
帰り道……千葉は、ずっと前を見て歩いていた。
本当に私…なにかやらかしてしまったのか!?
自分で自分に問い詰める。
千葉が怒ってる所なんて、今まで見たことないから、どうすれば良いか分かんないよー…。
「ねぇ…千葉?」
「ん…?」
「私…千葉になにか気に障るようなことした?」
私は隣の千葉を見上げる。
「…え!佐久間が?
いや…、何も気に障ってなんか無いけど」
千葉が驚くような、焦るような様子を見せる。
「そうなの!?…よかったぁ…、
なんか怒ってるのかと思った…。」
私は、ホッと安心した。
「ごめん。佐久間に怒ってた訳じゃないんだ…。」
「…訳じゃないって…じゃあ、誰かに怒ってたの?」
「いや…それも違う…
なんかよく分からない感情なんだ。」