噴水広場
僕の目の前でくるっと回って見せた。

彼女の白いワンピースがと白い帽子が、色白の彼女に映えた。

「どう、似合う?」

「うん、かわいいよ。それ、どうしたの?」

「ちょっと無理言って借りて来ちゃった」

「どこ行く?」

「どこでもいいよ」

 美智子と僕はその日1日をただ歩いていた。

話をして、笑って、時々見つめ合って、また笑った。

あっと言う間に1日は過ぎていった。

そろそろ夕方になるころ、彼女は僕をあるところに連れていった。

彼女が連れてきたのは意外な場所だった。

あたりは少しづつ、夕陽色に染まりつつあった。

「美智子、ここは…。」
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