噴水広場
裕子は涙声で話しながら座り込んだ。

「私もあなたの想い出を汚すようなまねはしないし、

否定したりしないからさ…。

お願いだから私を一人にしないで…良一君を奪わないで…」

しばらく誰も何も言わなかった。

「言われちゃったな、痛いところを」

美智子は僕の手を離し、そしてゆっくりと消えていった。
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