噴水広場
「だから誰も生きているなんていってないなじゃん」

「…えっ?」

「そう、幽霊の美智子さんです」

あっさりと想像したくない現実を口にされたので、僕は少し動揺した。

そしてあらためて彼女を見つめた。

でもそこにいるのはどう見ても美智子でしかなく、それが僕自身が把握できる唯一の事実だった。
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