君が居た世界が、この世で一番愛した世界だったから。

「大丈夫。夜くんは、私が嫌がることはしないから。」

さっきの答え。
目の前の人間が正に「愛」なのだろう。
今の私には。
私がどれだけ自分を卑下しても、夜くんはいつも「輪廻が一番だよ。」って笑ってくれる。

「そうだね。そうかもしれない。でも、君の行いによっては、だよ。
今の君の行いには、お仕置きしなくちゃ。」

私よりも二十センチ程高い身長を屈めて
、私の首筋に唇を寄せ、穏やかに呟く。

ふわりと漂う彼の匂いに、私はいつも負けそうになる。
わざと欠点を探したくなるくらいに完璧な人。
時々怖い、と感じてしまうのは、彼が完璧過ぎるからだ。