「ああ、分かるよ。恋人を無我夢中で愛するさまは、凄く美しいと思うよ。
単純で、分かりやすくて、ただただ愛したい。そんな行動を行為を好意でさえも、照れずに恥ずかしがらずに、率直に惜しげもなく、その人の一歩前で目を合わせて伝え、抱き締められる人はどれほどいるのだろうか。
『愛して』と言われる前に『愛してあげる』。恋人が言わなくても、知って理解して、何でもしよう。恋人が望むがままに行動して、自分なりの愛を――無性に無償で愛させてほしいだけなんだ。
制限も限界も関係ない。君のためなら何でもできる。だから、彼の愛は分かりやすく素直に素敵だと思う。
まあ、長々と語ったけど、それだけ楽しかったのかもしれない。形は違えど、俺と根本的には似たような愛し方をする人に会えて。
『恋人のために何でもできる』って、口にするだけでやらない人が多いからね。うん、本当に、『よく愛している』ね」