スーパーニート★パラダイス

だが次の瞬間、世界は中世ファンタジーから喫茶「ひまつぶし」へと戻ってしまっていた。

気が付くと、文字を追っていた視線は原稿用紙の左下、最後の一文字で止まっている。

男は慌てて“次”を探した。

その様を、テーブルをひっくり返された当の本人である女性は呆気に取られて見つめている。

どうしても“次”が見つからず、そこでようやく正気に返った男は呆然と、呆然と自分を見ている女性客を見る。


時が止まったかの様に静かな喫茶店の中、他の客の視線が自分に集中する中で、男はその運命の交錯に身を震わせる。


「…君……小説を書くの?」
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