スーパーニート★パラダイス
【第二話】 劇団員と小説家
「…つまり、逃げちゃった台本係の人の代わりに、私の小説を劇団の公演で使いたい……という事ですか?」
陽光の差す午後、左手にはショーウインドウが並ぶ赤レンガで舗装されたこじゃれた道を、真島多喜也と名乗った男と女性は歩いていた。
「え?……台本が逃げたってよくわかったね。その事まだ言ってなかったのに」
「さっき、隣で電話のやりとり聞こえてましたから」
なるほど、と多喜也は納得し、軽く笑って歩を進める。
「いいですよ」
多喜也の足が止まった。