スーパーニート★パラダイス
先日、本屋で劇団のシナリオ係と立ち読みした公募雑誌『文芸時代』の“公読社シナリオ・小説大賞”の発表。
大賞100万、優秀賞50万と佳作10万円、準佳作5万円の間に挟まれた特別枠、審査員特別奨励賞。
そこに“倉秋 あづさ”の名があった。
『殿下の宝刀を使った』
『最高傑作だ』
『俺の切り札だ』
今思い返せば、シナリオ係の男は大賞は貰ったとばかりにそう豪語しては意気揚々と鼻息を荒くし、そして後日、発表のページに自分の名前が無い事を確認すると誰も声をかけられない程の…今にも死にそうな落胆ぶりを晒していた。
多喜也は咲花を見て、改めてそうかと気付いた。