スーパーニート★パラダイス
多喜也の背中が塀の向こうに隠れたので咲花が慌てて後を追うと、曲がってすぐの一軒目の門の前で多喜也は立っていた。

「はい、到着」

咲花の姿を確認して、多喜也は笑ってそう言った。

なんだかんだで駅から徒歩約30分。

肌寒い夕方にあって汗をかき息を上気させる咲花は目の前に立つ多喜也、その向こうに立つ塀、そのさらに向こうに立つ一戸建ての建築物を見上げた。
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